あの日、あの時、あの場所で。
ー蓮也 sideー
「杏奈ちゃん。」

「ん?」

「眠い?」

「……うん。」

「そっか…。じゃあ、寝なよ。」

「…うん…。」

「あーんな!」

「なにー?美穂。」

「今日ってどこに泊まるか知ってる?」

「F班って、私のおばあちゃまの家でしょ?」

「そうなの?」

「班長に聞いたら?笑」

「…寝た。」

「え!?寝た!?恭が!?」

「うん?」

「絶対に人の隣では寝ないようなやつだったのに…」

「そうなの?瑞江くん、変わってるな〜」

「瑞江って、変なところこだわるよね笑」

「そうそう笑こないだなんて、ノートを一マスも飛ばさないでかいてた笑」

「まじか笑」

「瑞江くん。変な趣味だね笑」

「そんなことより、杏奈ちゃんのおばあちゃんちってどんなの?」

そう聞かれて、杏奈ちゃんがリュックからスマホを取り出した。

そしてしばらく操作したと思えば…

「ここだよ。」

そう言って見せられたのは、白いお城。

「「……」」

「ここね、前の私の家だったんだけど東京に引っ越すことになったからおばあちゃまとおじいちゃまに明け渡したの。」
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