あの日、あの時、あの場所で。
「で、聞いて欲しいことって?」

「なぁ、杏奈。これ聞いたらさ、俺のことただの能天気な奴には見れなくなるけどいいか?」

「どういうこと?」

「俺の家、実は極道なんだ。」

「極道?」

「ヤクザ、みたいな…というか、ヤクザ…なんだ。」

「ふーん…そうなんだ。」

「え?」

「え?笑」

「幻滅しないの?俺のこと、怖くないの?」

「なんで?蓮也は蓮也でしょ?」

「…っ。杏奈…」

「え?泣いてるの?」

「泣いてねーよ!」

「えー?笑あははは笑
蓮也といるとやっぱり楽しい笑」

「俺も。杏奈といると楽しいよ笑」

「私ね、正直に言うと、蓮也がね。
そういう職業なことも、若頭なことも薄々気づいてたの。」

「え…?」

「文化祭の時にね?私、美穂と前島くんが蓮也がもしかしたら藤崎組の若頭かもしれないって話をしてて…偶然それを聞いちゃったんだ…」

「そっか…」

「盗み聞きしてるみたいで、すごい気分が悪かった…。」

「うん。」

「でも、今、真実を蓮也の口から聞くことが出来て良かったなって思ったよ!」

「そうだな…どうしてもっと早く言えなかったんだろう…」

「ほんとだね笑私もね、本当はずーっと隠そうとしてたの。」

「え?」

「会社のこと。恭太とのこと…」

「俺だって笑」

「でもね、あのあと恭太と今後のことを話してたんだけどね。
やっぱり、話してよかったなって…
思って…笑やっぱりこのメンバーでよかったなって思ったよ。」

「だな笑」










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