光と闇

闇夜の月


「あの娘はまだ眠っているのか」


部屋に少しクセのある低い声で話しかける男。


「はい、カドネ様。ですが、もう少しでお目覚めになると思われますよ」


部下らしき男が答える。


「そうか、ご苦労。すこし休んでいいぞ」


カドネと呼ばれたその男は立ち上がった。


「カドネ様はどうされます?」


部下も立ち上がる。


「俺はあの娘を見てこよう」


「くれぐれも気をつけてください。暴走すればここが壊れます」


「それは俺が一番わかっているだろう」


口に微笑を浮かべながら、カドネが話す。

< 12 / 118 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop