天使の梯子


「なんか私の知らない暎仁くんがいっぱいいて、ちょっと面白い」


私の言葉に暎仁くんがふっと微笑む。


「俺、楓に夢中だから。楓が思ってるより、ずーっと……俺の愛は重いよ。ていうか指輪さ、緩くなっちゃってるじゃん。これがピッタリになるくらいまで太らせるから」


「えー」


「細すぎて壊れそうなんだよ。もうちょい肉あったほうが抱き心地もいいしさ」


あやしい手つきで私の身体をまさぐる暎仁くんの唇が、近づいてくる。


「もう絶対、逃がさないからな」


吐息が触れあって唇が触れる寸前に、私も呟く。


「もう逃げないもん」


私の言葉に暎仁くんは幸せそうに笑って、唇が重なった。


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