天使の梯子

「結婚しよう、楓。もうひとりで泣かせないし、絶対に幸せにするから。俺と、結婚してください」


私はもう一度、窓の外の神秘的な光景を見てから暎仁くんを見た。


出会ってから、九年が経って……一度は離れたけど、またこうして出会った。


私と暎仁くんを、私たちの天使が繋いでくれた。だからやっぱり、これは運命なんだ。


「はい。こちらこそ、よろしくお願いします」


幸せに包まれて微笑む私を、暎仁くんが抱きしめてくれる。


「ね、楓。やっぱり子作りしよう。俺、今すごいムラムラする」


「ム、ムラムラって……」


「言わなかっただけで、楓に会うといつもムラムラしてたし。嫌われたくなくて我慢してた。本当はもっと抱きたかったし、ずっと触っていたかった。もう、我慢するのはやめるから」


いつも余裕そうに見えたのに、そんなことを考えていたんだと思うとちょっと面白い。



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