モノクロの世界で
「…裕芽と名城くんは何部入るの?」
あの日以来、私達四人は屋上で一緒にお弁当を食べるようになった。
「剣道部」
「俺も同じく」
ご飯が入ったままの口を手で覆いながらもごもご言わせ、裕芽が答えた。それに名城くんの声が続く。
「剣道部…」
袴…かっこいいなぁ等と考えを巡らせていると、横から声が割って入った。
「あのねあのねっ翔ちゃんの家道場なのっでねっ裕芽ちゃんも翔ちゃんも小1からずっと剣道やってるんだよー」
「へぇ…」
道場だなんて凄いのね。そう言うと名城くんは少し照れて赤くなりながらも嬉しそうにはにかんだ。
「…裕芽…女剣士…」
そうぼそりと呟くと、それが聞こえたのか裕芽がいきなりむせだした。
「ちょ…っあんったほんと突然突拍子もないこと言い出すわよねー!」