訳あり少女
いつか劉鳴が俺たちの事を信じてくれた時。
劉鳴が自分から話すのを待てばいいだけだ。
……にしても、本当に酔ってるなこいつ。
ガラッ
「んっ、涼し…」
どうやら暑くて窓を開けたようだ。
『…劉鳴。危ないからこっち来い』
「嫌。ここ涼しいんだもの」
駄々をこねる劉鳴は珍しい。が、はやり危ないので連れ戻すためにそばに行く
「う、わっ。…いきなり何してんの降ろして」
『ダメだ』
「…何故」
『外に出るだろう。もう寝ろ』
「……だからってなんでお姫様抱っこ」
劉鳴の言う通り俺は今俗に言うお姫様抱っこをしている。
何故かって?コイツが言うことをきかないからだ。
寝かせるために部屋に運ぶ。
「…まって、嶺二」
ベッドに降ろして部屋を出ようとしたところで止められる。
『何だ』
「あの…」
言いにくそうに言葉を詰まらせる。
…なんだ?
分からず首を傾げる。
「お願い。ここにいて」
徐々に自分の目が見開いていくのがわかる。