続★俺だけの家政婦さん

リアルな恋はいりません

無理!無理!絶対無理。

絶対あり得ないでしょ。

なんで男なのよ~~~~!

この男は私の初恋の相手であり、私をこっぴどく振った

最低の男なんですけど!

「よろしくね。家政婦さん」

野末淳平(のずえじゅんぺい)は不適な笑みを浮かべる。

よろしくじゃねーよ!



事はさかのぼること1週間前。

「栞里さん、3年間ありがとう」

「大橋様、とんでもございません。こちらこそありがとうございました」

私は大橋様に深々と頭を下げる。

私、竹原栞里(たけはらしおり)は家政婦歴3年の25歳。

名字でピンときたかもしれないが私は竹原家政婦紹介所の所長

竹原八重子の一人娘。

今日は大学を卒業後、家政婦になって初めて担当した

大橋様との契約が終わる日なのだ。

大橋様は全国にいくつものビジネスホテルをもつ『サンライズホテル』の社長で

3年前に奥様に先立たれ、家事全般を私が受け持つことになったのだが

近々再婚されることになり私はお役御免となった。

今日は最後のご挨拶に伺った。
< 1 / 181 >

この作品をシェア

pagetop