続★俺だけの家政婦さん
「ただいま」

野末くんはちらっとこっちを向くと

「なーにつまんなそうな顔してんだよ。友達と楽しく俺の愚痴でも

言って酒飲んでたんだろう?」というと缶ビールをの飲み干し

片手で間をへこませた。

「そ、そうよ。愚痴をこぼしてすっきりしたよ~~」

本当は全くすっきりなんかしてない。むしろ、もやっとしている。

予想もしていなかった展開で食べた物の味すら忘れた程だ。

だけど、野末くんにはとてもじゃないが話せない。

野末くんは私の顔をじーっと探るような目で見つめると

「あっ・・・そう」と余り関心なさそうに新しい缶ビールを開ける。

そしてその缶ビールを何を思ったか私に差し出してきた。

「飲む?」

「え?」

「酒なんて飲んでないんだろう?」

え?なんでバレた?

理由を探していると野末くんがこっちに座れと目で自分の横を指す。

私は玄関の戸にかけていた手を下ろすと庭へと進み

渋々野末くんの横に座った。

すると野末くんは開けた缶ビールをもう一度私に差し出す。

「何で飲んでないってわかったのよ」

缶ビールを受け取ると両手で持ち、野末くんを見る。

野末くんは別の缶ビールを取るとそれをあけながら

「それぐらい顔見りゃわかんの。俺らの付き合い長いだろう?」

と言うとグビグビとビールを流し込む様に飲むが

今の言葉に疑問がわく。

「ね~。俺らの付き合いって・・・おかしくない?
確かに高校は同じだったけど、卒業してからここで仕事するまでの
間私たち一度だって連絡取り合ってないじゃん」

それに私は今回の再会を・・・…
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