続★俺だけの家政婦さん

突然の訪問者

「今日、ちょっと出かけるからお昼ご飯入らない」

今まで外出と言えば私が買い物に行くときに無理矢理ついてくる

ぐらいで、どこかに出かけ事はほとんどなかった。

「は・・はい」

って事は・・・久しぶりにのびのび出来る?

思わず口元が緩む。

「何にやけてんだよ!」

「にやけてなんか・・・っていうか出かけるってどこへよ」

にやけたことを認めたくなくて興味はないが聞いてみた。

「何だよ。気になんの?」

野末くんが顔をにやつかせながらぐっと近づけてきた。

「別に・・・」

言葉は選ばなきゃ・・・質問した私がバカだったかも・・・


野末くんは「取材だよ」と言いながらコーヒーを飲んだ。

話によると、小島さんと一緒に取材に行くのだが取材先というのが

私たちの母校のN校だ。

「え?なんで?」

「なんだっていいだろ。ってかお前には絶対に言わない」

「なんでよ~~」

気になる。だって私たちの母校だよ。

「ネタバレ防止のためだ」

「え~~」

別に誰かに言いふらすわけじゃないのに嫌な感じ~~。

「ってか、俺と一緒に行きたいの?図書室なんか行ったら
思い出すんじゃね~の?」

野末くんがニヤリと笑う。

「・・・ムカつく~~~!」

野末くんはケラケラ笑いながら立ち上がると私の横を

通りながら肩をポンと叩きながら

「眉間にしわ寄せてるとかわいい顔が台無しだぞ」と言い、

リビングを出て行った。

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