続★俺だけの家政婦さん

最後の夕飯

コンコン

「はい」

ノックの音に返事をすると

野末君が、夕飯ができたと知らせてくれた。

「今行きます」と返事をし、腰かけていたベッドから立ち上がり

ドアを開ける。

なんだか不思議な気持ちだ。

いつもは逆の立場なんだもん。

部屋をでるとおいしそうな匂いが漂っていた。

キッチンに入ると野末君が黒いギャルソンエプロンを身に着け出来上がった料理をテーブルの上に置いていた。

初めて見るその姿に、ドキッとしてしまった。

イケメンのエプロン姿って最強かも……だめだめ何言ってんの？

外見が良いからって中身が伴ってるとは限らないことは私が身をもって経験してるじゃない。

この外見に騙されちゃだめよ！わたし。

そう自分に言い聞かせ、平静を装って声をかける。

「なんか手伝うことない？」

「いいよ。ちょうど終わったから」

野末君はギャルソンエプロンを外すと、椅子の背にかけた。

私は野末君の一つ一つの動きに目を奪われていた。

「座らないの？」

野末君の声にハッとして前をみると野末君があきれ顔私を見ていた。

「す、座ります」
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