あなたの愛に深く溺れてしまいたい
「もっとちゃんとした恋愛しろよ」


ちゃんとした恋愛…?ちゃんとした恋愛って、なに。


登俊とは、ちゃんと恋愛してきたつもりだよ。


だけど、私が良かったのは顔と身体だけ。


どうせ私のことなんか、見てくれる人はいないんだよ…。


「ちゃんとした恋愛って、なんですか…?みんな私のこと捨てるくせに」

「春野…」

「周りはみんな結婚していって、友達の中でも浮いてて、この会社で気付けば10年いて、社員の人にも冷やかされて。ずっと男性に縁がなかったから、登俊と付き合えた時はすごく嬉しくて、私の中ではちゃんと恋愛してきたつもりです。だけど、登俊は私の身体と顔がいいって。そんな時に松谷課長に救ってもらったんです!確かに不倫は良くないけど、でも松谷課長は私の心の拠り所だったの!」


結局は捨てられたけど…。それでも松谷課長には本当に救われた。


ちゃんとした恋愛って柴咲課長は言うけど、自分がしたくても相手がちゃらんぽらんの人だと、もうそこで成立しないんだよ。


まくし立てるように、柴咲課長へ言葉をぶつけると、私の携帯がまたブブッと鳴った。


「………」


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