部長の溺愛に困惑しています。
「さっき先輩から2つ貰ったから1個あげる。旅行に行ったお土産だって」

「ありがとう!」


コソコソと園子とやり取りをして、貰ったお菓子を作業着をポケットに入れる。

園子は「後でね」と手を振ると小走りで資料室に入って行き、私は作業を再開する。



日が経つにつれて園子とはどんどん仲良くなっていき、毎日ランチを一緒に食べ帰りも一緒に帰ったり時々飲みに行ったりもしていた。

園子の存在で仕事も前よりは楽しく感じのだけれど…



私は手を動かしながらチラッと部長のいるデスクの方に目を向けた…


難しい顔をして資料に目を通す部長…

次に口元に手を当てると、眉をしかめながら今度はパソコンに目を向けている。


あの仕草かっこいい…

家にいる時もやってたし…


あの時は眼鏡をかけていたのに、会社ではかけないんだよね。


あ、また見とれちゃった…


私は部長から目を離して窓拭きに専念する。


歓迎会のあの日から、妙に部長を意識してしまっている私…

仕事中でも部長ばかり見てしまうし、話しかけられると前よりも遥かにドキドキしてしまう。
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