部長の溺愛に困惑しています。
もちろん望んでやっている事ではないとわかってるけど、ドキドキしてしまう…



ち、近いな…

落ち着いてなんていられない…


目がキョロキョロと動いてしまうし、体からじわりと汗が吹き出て来る…




チラリと部長を見てみると、至って普通で落ち着いている様子。


部長にしてみてば私みたいな子とこんなふうに近づいてたって、何でもない事なんだろうな。

私からすれば一大事だけど…



早くエレベーターが着いて欲しいような…欲しくないような…


息を殺して今の状況にじっと耐えていると、ほんのりと部長からいい香りが漂って来る。




爽やかで甘くていい匂い…

香りまでもがイケメンという感じ…






ガコン…


部長の香りに酔いしれているとエレベーターは1階に着き扉が開くと、社員達がぞろぞろで降りていく。


夢のような時間があっという間に終ったと思いつつ、降りるタイミングを見つけていた私。

部長を見ると最後に降りるつもりなのか、先に他の社員達に譲る素振りを見せていて、その行為がまたたまらなくかっこよく見えた。




明らかに他の部の後輩達なのに、先に降りるよう勧めるなんて…さすがだな。


また部長のメーターは上がった。

そして社員達が降りて、エレベーターには私と部長だけになる。
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