部長の溺愛に困惑しています。
私よりは先に降りて貰おうと、顔を上げて手を差し出そうとした時…






「…っ」


突然部長の顔が近づいて来て、私の肩を軽く押してボタンがある端の一角に追い詰めると…

部長はそのまま私にキスをした。




訳が分からない。


頭が真っ白だ…


これは夢…なの?






一瞬触れるくらいだったがちゃんとキスの味がした…


部長は私から唇を離すと、クスッと笑ってスタスタとエレベーターから出ていく。





「ちょ、ちょっと!」


顔を真っ赤にしながら部長を追いかけると、こっちを振り返ってキョトンとした顔をする。


真っ白い大理石で綺麗な女性の像が立つ、広々としたロビー。

キチッとしたスーツを着ている社員達が通り過ぎる中、私は顔を真っ赤にして取り乱している状態だ。





「ど…どうしてあんな事したんですか?」


聞かずにはいられなかった。

当然でしょ!


人にいきなりキスして来てなんなの!

し、しかもファーストキスだったのに!!








「うーん…」
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