⑦オオカミさんと。溺れる愛の行く先に【番外編も完結】
ヤツが帰っていった後、燈子を寝室まで運び、リビングに1人戻っていった。


…実は、さっきはテキトーに誤魔化したが、子作り後悔には、真の理由がある。

なんの事はない。
世の男どもに聞く、例のアレだ。

『いやぁ子供が生まれたら、ヨメは子供のもんだよね~』

『そうそう、俺のコトは後回し。このごろは、“あら居たの?”って感じで…』

『夜も“疲れてるの”って…もう半年もオアズケだよ』

『まだいいよ。“イクメン”だとかいってさあ?隙があればテメエも手伝えとか言われて…』

そんなモノは、セオリーに過ぎないと思い込もうとしているが。

今でさえ、豆粒のようなガキの不鮮明な白黒写真を眺めては、ニヤニヤしている彼女…。
 
情けないから誰にも言えない、
燈子にはなおさら言えないがーー
 
ハッキリ言って、俺はサミシイ。

 
俺は腹のガキにさえ……

思いっきり嫉妬している。
< 15 / 115 >

この作品をシェア

pagetop