「ただ、隣に居たいだけ。」

「それって好きってことだろ。」

守るのは、もう〝兄〟の俺じゃない。
その言葉を聞いて、遠慮なく言った。

「そりゃ当たり前だろ。」

だって〝妹〟なんだから。
血は繋がってないけど大事な〝家族〟。

さらっと言った俺の言葉に
直人は、深い溜め息をついた。

「どんなに大事に思ってるかは分かってるよ。けど、お前の好き、は違う。」

___違う、好き?

「確かに昔は、色々あったから妹として好きだったんだろうけど、今は〝付き合いたい〟好き、なんだろうな。特別な想いにも色々あんだからさ。」

〝他の男と一緒に居るの見て、寂しかったんだろ?〟

確かに、締め付けられるような痛みも感じたし、寂しかった。

「妹として〝思ってる〟んじゃなくて、一人の女性として〝想ってる〟ってことだろ。」

出口のない道で迷ってるかのような頭の中。

「まぁ、悩むのは、あとにして食おうぜ。またいつでも聞いてやるから。」

にかっと笑ってくれる頼もしい直人。

「……さんきゅ。」

グラスを軽く当て、乾杯をした。

次の日、二人とも休みだったこともあり真夜中まで語り尽くした。


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