きみに、好きと言える日まで。
*第4章*

地区大会



翌日の早朝。


いつもの休みなら、まだ静かな羽鳥家のキッチン。


それが、今朝は慌ただしくフル稼働。


ナポリタンに鳥のから揚げにウインナーに卵焼き。

幼児の味覚ってこんな感じかな……。



千夏先輩に言われて。


あたしは今、ダメもとでお弁当作りに挑戦していたりする。


失敗しちゃったら持って行かなければいいんだし。



「ふわぁ~。あーんた何やってんの?こんなに朝早くから」

「お姉ちゃんっ!」



突然お姉ちゃんがリビングに降りて来て、あたしは慌てふためいた。



「まひろがこんなに早起きなんて、雪でも降るんじゃないの?ふわぁ~」



大あくびをかきながらカーテンを開ける。



雪どころか雨だって降りそうもない、真っ青な空。


降り注ぐ太陽に目を細めた。


耀くんが空を舞う姿が瞼の裏に映る。

< 151 / 372 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop