きみに、好きと言える日まで。


……もう席が隣じゃなくて良かった。


大人しく自分の席について、耀くんが登校してくるのを息を殺す様にして待つ。



「おっす」



耀くんは、それからすぐに登校してきた。



「耀太ぁ~っ!!」

「待ってたぞ~」

「やっぱりお前は不死鳥だな!」



……ドクンドクン。


クラスメイトのそんな声を聞いて、頭の先から爪の先まで緊張に包まれた。


振り向きたいけど振り向けない。



「まとわりつくなってー」



その明るい声が、余計にあたしの胸を締め付けた。


笑い声を交えて会話しているけど

それが耀くんの100%じゃないって知っているから。



耀くんは今、どんな顔してるの?

どんな気持ちでいるの?


怖くて、耀くんの顔が見れない。

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