きみに、好きと言える日まで。


急いで着替えて来たのか、ネクタイがおもいっきり左に寄っていたのだ。


あたしはそこへ手を伸ばす。



「……」



ちょっと顎を上にあげた耀くん。


その間に、真っすぐに直してあげる。


微かに上下する喉仏に、男の子を感じてドキドキした。



「サンキューな、まひ」



照れたように言われ、あたしも恥ずかしくて口を結んだまま「うん」ってうなずいた。



「朝から熱いわね!!」

「ヒュ~ヒュ~ヒュ~」

「夫婦仲がよろしくて!」



そんな姿を見ていた、凛ちゃん拓弥くん瞬くんが冷やかしてくる。



「……っ」



やだ……。

見られちゃってた。



よく考えれば大胆だったかな……。


口で言って教えることだってできた。

彼女でもないのに、あんなことして。

耀くん……迷惑じゃなかったかな。


今更不安になる。

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