きみに、好きと言える日まで。

遠足



あたし、ほんとにツイてると思った。


耀くんと同じ班になるなんて。



校外学習当日。



爽やかな空気と青い空。

それだけで、モチベーションもグンと上がる。



こんなに楽しみな行事なんて、久し振りだなあ。

楽しみで楽しみで、昨日の夜はなかなか寝付けなかった。


昨日は雨が降ったけど、見計らったように止んで朝からいいお天気となった。



「絶好のチャンスじゃん」

「えっ……」

「勢いで耀太に告白しちゃえば?」



登山口へ向かうバスの中。

凛ちゃんがそんなことを言ってくるから驚いた。



「無理だよっ、そんなの」



耀くんと一緒に山登り……っていうだけでも、ドキドキするのに。



告白なんて、考えたことない。


あたしは耀くんと……このまま……。

それだけで――



「あたしが一緒の班だったら、うまくやってあげたのになぁ」

< 91 / 372 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop