唯一の愛をキミに【完】
「いいじゃん!実は充と会う約束してたんだけど急にバイトが入ったみたいで、ひとりで暇だったんだ!」


せっかく由香里と約束していたのに、充も運がないな。


「ねっ?唯ちゃんもどう?わたし、もっと唯ちゃんと話してみたいし!」



「えっ、あの…えっと、」


由香里とは対照的に消極的な唯はしどろもどろになっていた。


「ごめん。上原くん、わたし急用思い出しちゃって!わたし、帰るね?」


「えっ、帰るのか?」


「本当にごめんなさい。由香里さんもせっかく誘ってくれたのに…」


唯の性格上、俺に気を使っているのが手に取るようにわかる。


俺と由香里をふたりきりにさせたいんだろうな。
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