そして浅き夢を見る
よくよく周りを見回す。

この海みたいな襖見たことあるぞ。

そういえばさっき彼女と見ていた御所だわ。

あっ、私御所の中に戻ってきたんだわ。

と言うことは私が行き着いた場所はここの押し入れか。

あのちっさな池とこの押し入れ繋がってるってことか?

地下通路でもあんの?

というかなんで水漏れしないの?

どういう構造?

なに無駄に凝ってるの?

頭の中はパンクしそうだが何はともあれ死ななかったことにホッとしながら彼女の姿を探そうと外に這い出てみる。

いや待てよ。

何かがおかしい。

なんでこんなに着物がウロウロしてるわけ!?

というか建物なんだか新しくなってません!?

落ち着け私。

何キョドってるのよ。

烏帽子被った男がウヨウヨしてるのは何かの催しがあるからでしょ。

な、なんで十二単がいるかって!?

そ、それはあれだ。

なにかの催し....。

ウッ寒い

ちょっと失敬して押し入れの中を見せて頂こう。

それから服を借りちゃおう。

後から怒られても事情を説明して謝れば許してくれる....はず。

とにかく着替えてからゆっくり考えよう。

件の押し入れを開け駕籠を取り出す。

あちゃあ、着物しか入ってないや。

やっぱり御所だな。普段着期待した私がバカでございました。

しゃあない着物着よう。

風邪引くよりマシだな。

中身を取り出してみて気付いたがこれは男物だと思われる。

前に教科書で見たことがあるが
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