憑代の柩
 


 夜中。

 喉が苦しくて目が覚めた。

 胸も重い。

 薄目を開けると、誰かが自分の上に端座していた。

 またか。

 その霊はまたも、ぐいぐいと首を締め付けてくる。

 息苦しさに顔を歪めながら、やっぱり、佐野あづさの姿をして、あづさのベッドに寝ているからだろうかと思う。

 霊にお人違いですよ、と言って通じるものだろうか、などと考えていたとき、その霊と目があった。



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