夜の図書室で

 キレやすくなっていたのだ。


 ふと、右手の指先に、紙とは違う硬いものが触れて、それをつかんで引っ張り出してみた。
トイレットペーパーが出てきた。紙は細長くなっていて、茶色い芯が見えかけていた。


 ティッシュじゃなくてトイレットペーパーかよ。うわ、よりいっそう嫌なんだけど。トイレから持ってきたのか? 


 だから、どこからともなく聞こえてきたシャッター音に気づいて、振り返ったとき、僕は頭に血がのぼった。


 後ろから写メで撮っているそいつが、この嫌がらせの犯人だと、瞬時に理解した。
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