クリスタリア~隠された闇~

目覚め


『アルトリアァァァァッ!』


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はっ!

ここは何処だ?……病院?にしては明るすぎ

る気がする。

それに、病院ならではの不気味な感じや薬

品の匂いなんかもしない。


『ここは一体何処なんだ?』


一言呟くと、左側から扉の開く音がした。

そこから出てきたのは白髪でポニーテール

姿をした女性だった。

俺よりは少し年上だろうか…

隣には黄色いドラゴンのような生き物がフ

ワフワと浮いていた。


「おはよう!今日はいいお天気だね!」

『……。』


窓、無いんだけど。

なんだこの窓1つない部屋…。

俺って囚われの身なのか?


「さぁさぁ!起きたことですし、早速お出かけしましょう!」


……は?

いやいや、今起きたとこなのは事実だけ

ど、早速過ぎるだろ!!

俺、ここ何処なのかもまだ全然理解して

ねぇんだけどっ!


「わからない事があったら何でも聞いて下さ
いね〜!」


全部分かんねぇわっ!


『は、はい…』

「あれ?なんか元気ないね?まだここに慣れてないんですか?」

『全然です…』

「じゃあ、出掛けてる時に外の事とか紹介しますね!」

『あっ、ありがとうございます!』


この街?の事は全然理解出来ていないから

こういうのは助かる。


「じゃあ、行こっか!」


自分がいた建物から出てみると、病院なん

てものじゃなくて、ビルのような高い建物

だった。

そしてこの街はとても…華やかだった。

何故か「羨ましい」なんて感情が出てきてし

まう。

それはもしかしたら、初めて見る光景だっ

たからかもしれない。

羨ましいな、なんて思って当然だろう。


「あっちが服屋さんで、あそこがパン屋さ
ん!ねっ?綺麗な所でしょ?」

『そうですね。綺麗な所だと思います。』


それから俺達は色々な場所を訪れて紹介し

てもらった。

皆優しくて、とてもいい人達だった。


「そろそろ時間ね。こっちに付いてきて!王

宮に向かわなきゃ行けないから!」

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