恋することを知った恋

よく日が差す窓側の席は、街ゆく人の姿がよく見える。

あたしは普通の町並みに何故か安心を覚えて、サンドイッチを食べ始めた。

カリッと焼き上げたフランスパンに、新鮮な野菜とローストしたチキン。

日曜の午後にぴったりの、あたしにとって少し贅沢な時間。

日々のストレスと理不尽な出来事、うまくいかない気持ち。

それを全部忘れさせてくれるような、そんな時間。

あたしはサンドイッチを食べながら幸せを味わっていると、斜め前の席にカップルが座った。

「あ、この席いいね~~」

年齢はあたしよりも上と見た。
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