恋することを知った恋

「はーい、じゃあ席に着けー」

入学式が終わって、新入生は教室へと移動した。

今日が入学式、初対面だというのに、もう打ち解けて笑い合う生徒たち。

窓の外からは桜が満開に咲き誇る姿を見せていて、新入生たちの期待と希望に彩りを添えていた。

あたしは当時いちばん後ろの席だったから、同じクラスになる生徒の表情や会話をただ眺めていた。

後で聞いたらあたしはすごく話しかけにくいオーラを放っていたらしくて、とても怖がられていたらしい。
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