不器用少女の恋
「な、んで…」
なんでいるの。
なんでそんな必死そうな顔してるの。
なんでそんなに息乱してるの。
なんで…なんで、なんで、なんで…
「なんで来たの…!!」
なんで、こんなに弱ってる時に。
助けて欲しいと思った時に。
今まで、どんなに苦しくても、辛くても、泣いていても来てくれたことなんてなかったのに。
「ズルいよ…!!」
「ズルいよ、俺」
ゆっくりと私に近づいてくる。
「そんなこと、自分でわかってる」
私は修哉が近づいてくる分だけ後ずさりする。
「他の女と仲良くして、愛由香に妬いてほしいと思ったり、自分からはいけないくせして愛由香から来てほしいって思ったり、」
なに、それ…
カシャン
私の背中がフェンスに当たって軽い音がなる。