nine hundred Lies【暗詩】

#057  キカザル



嘘で着飾る僕を

誰も責めたりはしないけど

君には 嘘がつけないから

みすぼらしい裸の僕しか

見せられないんだ


だから 君は

それを偽りの僕と思っても仕方がないよね


耳を貸してもくれやしない

着飾った僕を好きだった君は

裸の僕に見向きもしない


自業自得の僕の負け


着飾る嘘で

君に溺れる



助けてと云ったのは

嘘じゃないけど

アイシテルと云ったのは

嘘だったかもしれない


そう思うことにしたよ


と、僕はまた嘘をつき


それならそれでいい


と、僕はまた嘘をつく


僕の“本当”に


君は耳を塞ぐから


僕は嘘をつく








【#057  キカザル】
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