【紫・長編】「年代記三部作/ナグサ」(スト漫のシナリオ)
体を動かした疲れたナグサを労って、ナグサだけをシンラの部屋に残し、カナヴァの二人は再会を喜びあった。

「お兄様、あの娘にまんざらでもないのじゃなくて?」セツナが私だけのお兄様なのにと呟く。
「あんまり女性らしくないだろうナグサは」と、女女したかつての取り巻きにうんざりしたよと話すシンラ。きっかけはそれだけだったんだけどねと、爽やかに微笑んだ。

「美しすぎるが所以の、王宮で孤立してるセツナを」一人ぼっちにしたくなかったから、ナグサに近づいたとも、シンラは言う。セツナさえ嫌でなければ、嫌がらせを止めなかった、かつての取り巻きとは違い、心強い家臣になってくれると期待してると。

「本当に」私の為だけに、と覗きこむセツナにシンラは満開の笑みを返した。
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