だから、俺にしとけよ。
確認しに行こうと教室に戻るために廊下を歩いていると、微かに声が聞こえてきた。
別棟では部活動をしているところもないし、一体誰がいるのかな?
そんな軽い気持ちで声の聞こえる教室を覗いてみる。
「えっ……」
そこには向き合う男女。
京ちゃんとひろちゃんがいた。
何でこんなところに?
まさかまた……?
そう思ってもその場から動くことはできない。
入谷くんがいまだに貸してくれている上靴を見て、そっと触れる。