だから、俺にしとけよ。




「……ねぇ、私って軽い女かな?」


キスを止めて、2人で壁を背に並んで座ってる時、伊都が不安そうに聞いてくる。


思わず吹き出してしまいそうになるのを必死で堪える。




「何で?」


「だって、京ちゃんのことずっと好きだったのにいきなり入谷くんって。
しかも京ちゃんと別れてすぐに入谷くんになんて……」


「後悔してる?」


「それはない!」


「じゃあいいじゃん」



そんなの、ずっと伊都を見てきたしたくさん悩んだってことは分かる。


幼なじみへの想いが軽い気持ちじゃなかったことくらい、悔しいけど知ってるから。




だからと言って俺への想いも嘘じゃないって信じてるし。






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