だから、俺にしとけよ。
俺の言葉に伊都は顔をこわばらせた。
真っ直ぐに伊都を見つめる。
「な、何?」
おずおずと言った様子で聞いてきた伊都に顔を近づける。
「え、ちょっ!入谷くん!」
「それ!」
「は?」
「その“入谷くん”ってやつ止めてよ」
俺はもう伊都って呼んでるし。
なのに、伊都だけ名字呼びとか。
幼なじみは持田京介で京ちゃんってちょっと特別感あるし。
伊都の彼氏は俺だし。
「入谷くんは入谷くんじゃん」
「そうだけど、ダメ」