だから、俺にしとけよ。
その言葉は無視して歩き続ける。
別に重くはないし、女一人おぶれないなんて男じゃねぇよ。
「派手にこけたな」
「うぅ……はい」
「もっとしっかり捉まって」
「で、でも……」
「いいから!」
俺の強い口調に、おずおずと首に手を回す。
さっきよりも密着する体。
長谷部の心臓の音が俺まで聞こえる。
「ありがとうございます。やっぱり持田くんは王子様……」
「王子だったら、ここはお姫様抱っこじゃないのか?」
「助けに来てくれたから王子様です。
でも、ドキドキしすぎて心臓が痛いから下ろしてほしい」
「へぇ」
そう言われるとイジワルしたくなる。
下ろすことなく、そのまま長谷部に道案内させて家まで送る。