白い悪夢
暗闇の中で
気付けばいつも暗闇の中にいた

何も感じない、不思議な…ううん…怖い世界

私以外の誰もいない

光を嫌い無限に閉ざす暗闇の中には誰も…



……コロシタイ……



まただ

何度聞いても凍えるようなこの声には聞き慣れない

先週の夢から聞くようになった冷たい女性の声

私は彼女の言葉から聞くのはいつも『コロシタイ』だけだった

しかし聞こえるのは声だけ、その声の主の姿は見たことがなかった

そして姿を知らない女性が誰を殺したいのかわからないまま、私は彼女の言葉に耳を傾かなければならないのだ

そして今日も聞かなければいけないのだ…



コロシタイ…コロシタイ…
コロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイ
もう嫌!

私は耳を思いきり塞いだ

しかし凍えた声は私の手の甲を貫通し私の耳の鼓膜に入り込む

耳の感覚が鈍くなるまで私の耳には冷えた悲しい女性の声が入り込む

コロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイコロシタイ

もうやめて!

涙が出て軽く嘔吐の感覚を覚える

いつもの夢ならここで終わる

そして明るい朝に目を覚ましホッとして学校に行く準備をするのだ

しかし今日の夢は違った

そう…昨日とは…





………………

気付くとコロシタイコールは終わっていた

もう帰れる…

そう勘ぐっていた私の耳に飛び込んできたのはコロシタイ以外の別な言葉だった

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