白い悪夢
それは白い光だった

暗闇の世界で一つだけ白い光が霞むように光っていた

しかしその光は輝かしい物ではなく、鈍く、寂しく揺らめいていた

なん…なの…?

私は後ずさりした

しかし光と私の距離は一向に延びない

逆にどんどん縮まっていた

いや…なんなの?

涙腺が歪む、見えない恐怖に怯えるように



そして私は
今の現状に
力が抜けて膝をついてしまった…



光が大きく縦に広がり人の形に変化し始めた
長い黒髪が生え、目、鼻、口が増え、胸のあたりが膨らみ、白い体に白いワンピースを羽織っていた

脳が直感した
この人が…声の…女性…

女の人は空気の上を歩むように静かに私に近づいてくる

いや…嫌…こないで…

私は必死に地べたをはいずるようにして逃げた

無駄だ無駄だと頭が叫んでいるのに体が恐怖に怯え勝手に動く

怖い…怖い怖い怖い怖い

口から無意識に発せられた

もう嫌…早く…覚めてぇ…

しかし、私の願いは虚しく



おんなのひとであろうてがわたしのかたをつかんだ
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