未熟女でも大人になっていいですか?
「ええーっ、まだスイーツ食べてないのにぃー」


「もうあらかた食っただろう。混んできたし、部屋に戻るぞ」


ガタンと椅子を引いた。


渋々俺について立ち上がるカツラの足元は恐ろしいくらいにユラユラしてる。


「頭フワフワー!」


「そりゃ酔ってるからだ」


腰に腕を巻き付けてレストランを後にした。

やっぱり早めに来て正解だった。

この足取りなら混んでからだとますます恥ずかしい思いをするところだった。



「しっかり歩けよ」


「うーん、おんぶしてー」


「ガキか、お前は」


「子供みたいなもんよぉ、私はー」


言いながら今度は泣き始める。

笑い上戸の次は泣き上戸。

困った未熟女だ。



「望さんの付き合ってきた人達ってぇ、皆お酒強かったー?」


何を聞いてくるんだ。いきなり。


「私みたいな処女もいたのー?」


「ちょっ…カツラ、声がデカい!」


シーッと口元を塞ぐ。

明らかに酔いが回ってる。

このまま人の大勢乗ったエレベーターなんかに連れ込める訳がない。



外にでも連れて行って酔いを醒させよう。

それから中へ戻ろう。



「ねー、答えてよー」


口から手を離した途端これだよ。


「分かった。後で答える」


とにかく今は黙れ。

もう少しでバルコニーに着くから。


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