双子
恋
「行って来まーす」
今日も元気に家を出て、学校へ向かった。
「おはよう!一緒に行こう!」
声のする方を振り向いて見ると、優奈がいた。
「優奈!おはよう!」
優子も明るく挨拶をする。
学校に着き、席に着く。
授業が始まる。
昼休みの時間。
「ねぇ、ちょっといいかな?」
振り向くと、前島さんがいた。
「えっと…」
「私は由紀の方。双子だから、戸惑ったのね」
「ゴメン…。で、何か御用ですか?」
「ちょっと相談したいことがあるの。教室じゃ話づらいから、屋上に行かない?」
「うん…」
二人は屋上へと上がっていった。
「屋上とか、初めてでしょう?」
「うん」
「空気がいいよねー」
「あの、相談って?」
「あ、ゴメン。実は私ね、2組の佐藤君が好きなの」
「それで?」
「うん…。告白したいんだけど…上手くできなくて…。だから、協力して欲しいの!」
「どうすればいいのかな…?」
「明日の放課後、佐藤君と上田くんを誘ってカラオケに行くことになってるの。それで…」
察するに、女の子がもう一人欲しいって訳なんだ。
「いいけど…」
「本当?有難う!」
嬉しそうだった。
恋する乙女か…。何だか羨ましい。
また一つ、ため息をついた。