サヨナラケイジ
・・・なんか、ひとりだけ大人ぶっちゃって。


「おい」


電話を切った結城が足を止めて私を見た。

ヤバい。

今の会話聞かれてた?


「ちょっと、行かなくちゃならん。もう、学校も近いから大丈夫だとは思うが、なるべくふたり固まって歩けよ」


「なにかあった・・・・・・の?」


胸さわぎがして、私は尋ねた。

結城はそれには答えず、友季子に、

「琴葉のこと、たのんだぞ」

と言うと、来た道を早足で戻っていく。


「ボス、了解しました!」


大きな声で背中に向かって言う友季子に、結城は軽く右手をあげた。


「なんだろう?」


「だね」


友季子が首をかしげて言う。

その理由は、学校の校門が見えてきたところで明らかになった。


「ちょっと、あれなに?」


友季子が校門のほうを指さした。
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