イジワル上司に焦らされてます
 


それにしても……こんなに飲み過ぎたのは、いつぶりだろう。


ぼんやりとそんなことを思いながら、私はオフィスに向かう足を少しだけ早めた。


肝心の終電まで、あと30分と少し。


駅からオフィスまでは徒歩10分圏内だし、財布を取って戻るくらい問題ないだろう。


幸い、急遽仕事に戻らなければいけなかった時のことを想定して、オフィスの鍵はきちんと持って出ているし。


そういうところだけはやけにしっかりしている自分に、今だけは救われた。

 
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