イジワル上司に焦らされてます
 


「どうして、こんなことするか……理由、ホントにわかんねぇ?」

「……っ、」



ほんの少しだけ離された唇。

言いながら、不破さんの指が私の顎先を優しく掴んだ。

それと同時に酸素を取り込もうと唇を薄く開けば、その隙を突いて再び唇を奪われ、今度は不破さんの舌が捩じ込まれる。



「ん……っ、」



初めて知る、不破さんの情熱的なキス。

思わず甘い吐息が口から溢れて、身体中の血液が沸騰したように熱くなった。

オフィスでされたキスは、随分手加減されていたのか。

後頭部に廻された手のひらが熱い。

だけど不破さんとのキスは、やっぱり苦くて、どうしようもないほどに甘くて、癖になりそうで……。

いつも感じている薫りに包まれ安心感を覚えた瞬間、私は目の前のジャケットをそうすることが当たり前のようにギュッと掴んでいた。

 
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