イジワル上司に焦らされてます
……極上の、イイ男?
それはあくまで外見上の話で、中身は良い年して人をからかうことに全力を注ぐ、至極イジワルなヒトなんだけど。
「月曜の朝から仕事熱心で、ホント見習いたいよ、お前のこと」
言いながら、パキパキと指を鳴らした不破さんは、背もたれに身体を預けて小さく息を吐いた。
先週は結構ハードな案件が重なっていたから、週明けの今日も疲れが抜けきっていないのだろう。
顔も良くて仕事が出来る……それなのに私と同じ、お一人様なのは─── 不破さんが時々、子供のイタズラみたいなことをして楽しむヒトだからに、違いない。
「……お疲れのところ、申し訳ないですけど」
「ん?」
「不破さんこそ、朝から人のことをバカにする前に、こういうの止めてくれます?」
「なんだよ」
「この、ポストイット。これじゃあ、全然、意味がわかりません」