好きだけど、近づかないでくださいっ!
この気持ちは今までとは正反対で自信だってあった。それなのに、それを真っ向から否定され、どうしていいのかわからなくなってしまった。

薄い暗闇で良かった。きっと昼間の明るいときなら、この潤んだ瞳を見せなくてはいけなかったから。

「それは、お前がスキサケを理解していないからだ。だから仮に今、治ったと思っていても、すぐに再発する」

「何言ってるんですか?スキサケを理解していない?スキサケを一番理解しているのは、私です。いつもこれに苦しめられてきた。誰よりもわかっているつもりです」

「・・・じゃあ、された側の人間の気持ちは?ある日突然、自分だけ避けられるような態度を取られる気持ち、お前に分かるか?」

頭を鈍器で殴られたような衝撃をうけた。私はいつも、自分だけが辛くて苦しくて、実らない恋をし続けているのだと思っていた。

でも、本当にそう?もし、自分自身が突然、好きな人に避けられたらどう思う?
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