エリート上司と偽りの恋
【なるべく他の女性と彼女に接する態度は変えた方がいい。まぁ意識していたら自然とそうなるとは思うが。できるだけ特別だと思わせる。

ふたりきりになるタイミングがあれば、それを必ず見逃すな!

ボディータッチよりもあくまで最初は軽く触れること。あからさまだと遊び人だと思われる危険性がある。

女性は耳元で囁かれるのに弱い。
これらが実践できたとして、彼女が迷惑そうな顔ではなく恥ずかしそうにうつむいたのなら、後は積極的にいけ!】



人の意見を参考にするなんて卑怯だと思われるかもしれないが、そうでもしないとまた七年前と同じになってしまう。

卑怯でカッコ悪くたって、少しでも俺の気持ちに気づいてくれるのなら、それでいいんだ。


仕事では負けない自信はあるが、好きな女性を喜ばせるということに対しては、俺よりも遥か上にいるオーウェン。


歓迎会は、手が多少震えながらも助言通りに実行できたと思う。
だが電車でふらつく彼女を支えたのは、無意識で咄嗟の判断だった。


声を掛けるときは恥ずかしがらずに思ったことをそのまま、躊躇せず落ち着いて囁く。

その全てを実行してきたが、彼女を送っているとき、本当にこれでいいのかと自分に問いかけた。


ここから先は、自分の気持ちをそのままぶつけたい。

彼女の顔を見ていたら、どう思われようと自分の言葉で告げたいという気持ちになっていたから。


時間をかけてじっくり彼女を落とすなんてオーウェンのやり方は、俺には向いていない。


今までのアドバイスに感謝しつつ、俺はこの思いを彼女に告げた。

早すぎるのかもしれない。戸惑うに決まってる。だけど、そんなことは関係ないんだ。


どうあがいたって、出てくる言葉はひとつだけ。



『加藤さんのこと、好きだから』





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