やまのさいばん
「わたし、どろぼうなんかじゃ ないわ。
これが あなたのなんて しらなかったの。 ごめんなさい かえすわ。」
「ゆだんも すきも ありゃしない。」
ぶつぶつ いいながら、このはこぞうは こころのてから あかい きのみを とって むねに つけました。
「ねえ おねがい。どっちへ いったら ふもとの みずうみが みえる みちに でられるか おしえてちょうだい」
こころが なきそうな こえでいうと、
このはこぞうは がさがさ てを ふって いいました。