完璧なカノジョの秘密


「バカですか、猿先輩!!私の気持ち、聞かないつもりですか!?」


「お、おい…仮にも先輩にバカとはなんだ!!」


「恋人になったら、先輩も後輩も関係無くなるんだから、いいんです!!」


「おお、恋人に……恋人にっ!?」


愛梨さんの言葉の意味にやっと気づいたのか、猿君は目を見開いて驚きの声を上げた。


「私も、いつでも明るくて、笑わせてくれて、愛梨は、初めて心から、大好きな人に出会えたと思ってます」


愛梨さんは、本当に嬉しそうに、そして可愛らしい笑顔を、猿君に向ける。


猿君は、その笑顔に目を奪われているのか、息をのんだまま、固まっていた。


「大好きです、猿先輩」

「っ……そっか、両想いか!」


嬉しそうに猿君と愛梨さんは笑いあって、抱き合う。

あぁ、なんて素敵な瞬間にいたんだろう。


私の大好きな親友達が、こうして幸せになる瞬間って、こんなに嬉しい気持ちになるんだ。








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