恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》
「あの、雪野先輩は……」

「急用が出来ましたので僕が代わりに」

私に声をかけてきた男性は助手席に座り、後部座席の私を振り返ることなく言葉を返した。

運転席の人物は、ルームミラー越しに両目だけが見えている。

「そうですか……」

高級車だけあって滑らかな走行に加え、車内はイイ香りだった。

気を緩めると必然的に瞼が重くなる。

……眠い……。

少しだけ……眼を閉じていよう……。

●●●●●●●●

……ん……。

……私……寝ちゃってた……?
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