恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》
「先輩は旬から私を守ってくれたのに……画ぐらいで取り乱して本当にごめん」

私は膝で立つと、先輩の身体をギュッと抱き締めた。

前までの私なら、怖くて先輩に触れることなんか出来なかったのに。

「先輩……気を付けて。翠狼が、先輩が人狼の王になるのを阻もうとして……でも、分かんないの。確かに翠狼は私になにか言ったのに、私はそれをどうしても思い出せないの」

「瀬里」

先輩が私から身を起こした。

「それは暗示だ」

「……暗示……」

……暗示をかけられたの?私。

ドラマとかで、ヴァンパイアがよく使うヤツだよね?

「ヤツはお前に暗示をかけてるんだ」

「どんな?!」
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