恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》
「瀬里……!」

言い終えないうちに、グッと腕を引かれた。

固い先輩の胸に額がコツンと当たる。

背中に回された逞しい腕の感触。

至近距離から私を見下ろす、切れ長の眼。

これって……。

ドキンと鼓動が跳ねる。

でも……もう限界。

「じゃあ……私、もう寝ます。先輩、お休みなさい」

私は先輩から身を離すと、部屋へと戻った。

●●●

部屋に戻ってベッドに倒れ込むと、 喉の乾きも胸のムカムカも、少しマシになってきた。

よかった……。
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